仮面山荘殺人事件(ネタバレ含む)
▼あらすじ(ネタバレなし)
婚約者の朋美を交通事故で亡くしたばかりの男、高之と、朋美の家族らが避暑のため山荘に集まった。
そこへ逃亡中の銀行強盗が押し入り、彼らを軟禁。
極限の緊張感に包まれた奇妙な空間に、ふいに朋美の事故死を疑う声が響きわたる。
▼感想(ネタバレなし)
こっちは朋美の死の真相が気になってるのに、強盗邪魔!とヤキモキして見事に目論みにハマりました。
驚きはあったのですが、未だにオチを消化しきれてないので、
誰かスッキリする答えを教えてください、という気持ち。
※以下、未読の方にとっては作品の観賞を台無しにしかねないネタバレを書いています。
ネタバレ閲覧は自己責任でお願いいたします。
そして出来れば、未読の方はここで引き返して、
先に本編を読むことをおすすめしたいです。
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/03/07
- メディア: 文庫
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ーー以下ネタバレーー
▼ストーリーネタバレ
軟禁状態が続く中、朋美の従姉妹の雪絵が何者かに殺された。
一同は雪絵が朋美殺しの犯人と推理。雪絵を殺した犯人は、朋美の父の伸彦だった。事実が発覚した途端、海に身を投げる伸彦。
しかし伸彦は生きており、朋美の死の原因を作ったのは婚約者ではないかと、単身で高之を追い詰める。殺意を認め、伸彦の首を締める高之。
そこで部屋の明かりがつく。全ては高之を嵌めるためのお芝居だった。
▼トリックネタバレ
銀行強盗騒ぎも含めて、全てが芝居。
高之は実は雪絵へと心変わりしており、朋美の生理痛の薬を睡眠薬とすり替えていた。
その事に気づいた朋美は自ら崖に落ちることを選んだ。
語り手である主人公が元凶(と、言い切れない曖昧さもある?詳しくは後述)。
▼ネタバレ感想
高之が誠実な婚約者からゲス男に変貌する一瞬がとても面白かったです。
お芝居でした!って言われて、え、どこからどこまで?って見事混乱してしまったのは私です。
以下の疑問書き殴りにもその混乱が表れてます。
▼疑問点
少し謎に思ってる部分があるので、だいたい3行ルールをちょっと破って書き出し。
まず、雪絵は本当に高之のことが好きだったのか?
高之の思い込みじゃないのか?
と思ったのは、もしそうなら、雪絵に愛されていると自惚れている(という設定の)
木戸氏のくだりに皮肉が効いてくるから。
きっかけも端から見たらただチョコあげただけじゃん、っていう。
そもそも雪絵がよくわからない娘なんですよね。
本当に高之を奪うつもりだったのなら、皆と一緒になって高之を糾弾する意味がわからん。
お前が言うなって思われても仕方ない。
まず朋美の家族も味方してくれるはずがないと思うんだが。
自分の娘の婿を寝取ろうとしてたのがバレた時点で。
なので、
1.雪絵の想いは高之の思い込み
または
2.雪絵が黒幕で、高之と朋美の破滅を望んでいた。見事成功してお咎めなし
の、どっちかが裏エンドだと私がスッキリする。
2は、実は雪絵は朋美に激しい劣等感を持っていたとか、密かに朋美を愛してたとか、
動機は妄想で補うしかないけど。
私が鈍いだけで暗に示されてるのかも知れない。
高之が雪絵に最後に言った「もう幕だろ」の真意がわかれば、もう少し上手く考察できそう。
今の私にはここまでが限界でした。