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3行読書録

だいたい3行くらいで読んだ本の記録をつけていきたいブログ。サスペンスが特に好きです。

悪いものが、来ませんように(ネタバレ含む)

悪いものが、来ませんように
(芦沢央/角川文庫) 


▼あらすじ(ネタバレなし)
紗英と奈津子は、家庭に悩みを抱えている女性。
そんな二人は、お互いを心の拠り所とするとても親密な関係だった。
ある時、紗英の夫が死体で発見される。様々な人物の証言を交えて、彼女たちを取り巻いていた人間関係の闇が見えてくる。
 

▼感想(ネタバレなし)
生々しい女性の世界。ご近所の闇というか、終始昼ドラを見ているような印象でした。
証言インタビューも女の人の井戸端会議をそのまま聞いてるようなリアルさ。
不妊、浮気、実母との確執といった種類のものではありますが、
サスペンスの肝である『どんよりとした重さ』は充分に味わえます。



※以下、未読の方にとっては作品の観賞を台無しにしかねないネタバレを書いています。

ネタバレ閲覧は自己責任でお願いいたします。
 
そして出来れば、未読の方はここで引き返して、
先に本編を読むことをおすすめしたいです。

悪いものが、来ませんように (角川文庫)

悪いものが、来ませんように (角川文庫)




ーー以下ネタバレーー



























▼ストーリーネタバレ

夫の不貞に絶望した紗英は、彼の蕎麦アレルギーを知りながら麦茶に蕎麦湯を入れる。嫌がらせのつもりであり殺す気はなかった。
しかし夫は死んだ。奈津子は、蕎麦湯は自分が作り直し飲ませたのだと紗英に告げる。逮捕される奈津子。
だが実際には、夫はやはり紗英の麦茶で死んでいた。そうとも知らない世間は『婿殺し・奈津子』の来歴の全てを思い思いに暴きたてる。
紗英は自分を庇った奈津子の真意に気付き、初めて彼女を「なっちゃん」ではなく「お母さん」と呼んだ。


▼トリックネタバレ
関係性誤認トリック。終盤まで紗英と奈津子の関係をわざとぼかしている。二人は親子。度を超えた過保護。
事件をややこしくしたのは、奈津子による死因誤認。奈津子は紗英が麦茶に除草剤を入れたと勘違い。紗英を庇うため、救急車を呼びかけてやめた(この通話記録が後に紗英に真実を気づかせた)。


▼ネタバレ感想

これ、隠しテーマは『親の影響』だと思います。親の振る舞いと、子供の人格の間にどれだけの因果関係があるのか。
少なくともこの話の登場人物たちは、自分の性格の悪いところは全て親のせいだと思ってるんですよね。
何でもかんでも人のせいにするな!と怒鳴りたい気分になります。完全に術中にハマってるかも。良い意味で気持ちが沈むし、面白いです。