殺戮にいたる病(ネタバレ含む)
▼あらすじ(ネタバレなし)
連続猟奇殺人事件の犯人、蒲生稔が逮捕された。
刑事の樋口は蒲生の家族の雅子の前で彼を逮捕した。
エピローグから始まり、話は蒲生稔視点の最初の殺人エピソードへと移っていく。
▼感想(ネタバレなし)
え、最初から犯人が捕まってるんだが。
なので謎解きは置いといて、単にエログロを楽しむための悪趣味な作品かと思っていた。
ラストまでは。
※以下、未読の方にとっては作品の観賞を台無しにしかねないネタバレを書いています。
ネタバレ閲覧は自己責任でお願いいたします。
そして出来れば、未読の方はここで引き返して、
先に本編を読むことをおすすめしたいです。
- 作者: 我孫子武丸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/10/11
- メディア: Kindle版
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ーー以下ネタバレーー
▼ストーリーネタバレ
蒲生稔は自覚なしの極度の隠れマザコン。
無意識に母に似た女性を殺し犯すことでしか快楽を得られなかった。
終盤、やっと自分の母への想いに気づいた稔は母を手にかける。
▼トリックネタバレ
叙述トリックを使って大学教授である稔を大学生と錯覚させている。
さらに稔の妻である雅子を稔の母と錯覚させている。
あちこちに伏線を撒きつつも、ラストページまでこの錯覚が覆されないような工夫が凝らされている。
▼ネタバレ感想
想像しちゃうとエグいシーンが多くて怖い。特にラストの老婆と交わるところ……。
実はこれが初めて読んだ叙述&どんでん返し系小説で、私の中では一番ショッキングだった一冊。
貪るように叙述モノにハマったきっかけでした。記憶を消してもう一度読みたい。